残念ぼっちの勉強会

医学生です。適当に勉強したことを書いていきます。

Kイオンの輸送とループ利尿薬による低Ca血症

近位尿細管やヘンレのループ、集合管におけるKイオンの輸送が今回のテーマです。

 

Kイオンはまず、近位尿細管にて、濃度勾配・電位差にて再吸収されます。

 

ヘンレのループの太い上行脚では、Na-K-2Cl共輸送体によってNaとClとともにKイオンは再吸収されます。

この時、一部のKイオンは尿細管上皮細胞の尿細管腔側にあるチャネルを介して、再び尿細管に分泌されます。これをKイオンの再循環といいます。

これにより、尿細管腔は正電位となります。

この電位差により正電荷を持つCaイオンとMgイオンが細胞間隙を通って再吸収されます。

 

集合管においては、拡散によりKイオンは管腔内へ分泌され、また、アルドステロンがNa-K ATPaseに作用し、Kイオンを管腔内に分泌します。

 

 

以上の流れでKイオンは再吸収と分泌をしていきますが、注目すべきはヘンレのループの太い上行脚でのKとCaの動きです。

ループ利尿薬を投与すると、Na-K-2Cl共輸送体が阻害されます。すると、Kイオンの再循環が阻害され、Caイオンの再吸収も減少します。

これにより、ループ利尿薬では低K血症、低Ca血症をきたします。

 

また、ここでは触れていませんが、サイアザイド系利尿薬の副作用として高Ca血症があります。

この機序は需要があれば次回以降の記事で解説しようと思います。